宇宙人おじさん景山八郎氏の「お星様少年」時代とは!?

宇宙人おじさん景山八郎氏の「お星様少年」時代とは!?



「宇宙人はみんな仲良しなんだよぉ」

 隕石を売る店の店長は、

オリオン座星人とのハーフだった!

 四谷のビルの一階に、一際目を引く店がある。その名も、「宇宙村」。

 

一見、普通の骨董屋のようだが、よく見ると趣が異なっていることがわかる。
ガラス張りの店内には、水晶や隕石、甲冑や菩薩像などが所狭しに並べられており、思わず圧倒される。この混沌とした空間は、一度迷い込んだら戻って来られなくなってしまいそうなほど、不思議な物で溢れている。
「宗教ではありません」と大きく張り紙がされており、「願いが叶う隕石」と書かれた看板が立っている。
私はこの店を初めて見たときから、中に入りたいという欲望に駆られていたが、なかなか勇気が出なかった。
それから半年。ある日、店の前を通りかかると、中から白い髭のおじいさんが現れ、偶然目が合った。
驚いて見つめていると、掛けられた言葉は意外なものだった。
「ひさしぶりだねぇ、あんた」

もちろん初対面である。

 

村長・景山八郎氏とは

生まれはオリオン、育ちは鳥取

(村長、頭に謎の水を塗っている)

かな子:村長は、鳥取県の境港市出身だそうですね。『ゲゲゲの鬼太郎』の作者、水木しげるの出身地ですね。

村長:そうだよぉ、あそこは自然がいっぱいで、有名な人が多いんだ。

ほら、パンフレットに書いてあるでしょ? 偉い人なんだよ、村長は。

わかるでしょう? ずっと前、店に来たユリ・ゲラーはたいしたことないけどさぁ。(店内に来店写真あり)こりゃ、アメリカのアイゼンハワーとかに表彰されてるんだわさ。ガガーリン少佐と会見もしたんだよ。こういう人が偉い人なんだよ。僕は国際的に宇宙を研究しているんだから。こういうとこを載っけないとあんた、おいてけぼりだよ。
グレン中佐にも質問したんだよ。こうやって新聞にも出てる。

(記事より抜粋)
『超満員 グレン中佐を囲む会―青少年が質問ぜめ』
「景山八郎さん(二十七)の『上空二百六十キロでは星がどんなふうに見えたか』という質問には、『星はきらめかず、その先はずっと一定している』と答えた」

なるほど、これが”会見”の正体だったのか。
(村長、大きな鞄から色々な資料を取り出す)

 咲:宇宙に初めて行かれたのはいつですか?

村長:小さいときだよ。生まれは、あのー、オリオン座ってとこだよ。

かな子:はぁ、そうなんですか。(…鳥取は?)

村長:オリオン座ってとこだ。

咲:村長さんがオリオン座の方とのハーフであるとの情報もあったのですが?
村長:そうそう。オリオン座大星M-42-α‐α‐αってとこで生まれたんだ。「カゲローカッパ」っていうのは、宇宙でのボクの名前。「カッパ」っていうのは、頭が良いってことなんだよ。カッパって、陸でも海でも行けるでしょ。頭にお皿がついていて、夏でも日射病にならないのよ。字とか計算とか分かるのも「屁のカッパ」っていうでしょ。

村長の奥様は村長の所有する伊豆の下田城の管理をなさっている。

現在は工事中だが、隕石を展示している美術館や、カラオケルームがある。史実にない城で、建て主から買い取ったという。
息子さんも二人いらっしゃる。

かな子:村長が、路上で太陽のパワーを体に取り入れているところを知人が目撃したそうなのですが。

村長:だから、宇宙体操もしてるんだよ。

(村長、手をカメハメ波のような形に動かす)

かな子:どんな体操なんですか?

村長:ん? あのー、だから健康なんだよ。だって東京駅まで歩けるんだよ。喜んでいくんだよ。あんた行けないでしょう? そらー、…今度教えてあげる。

 (1) 「あんたは女性なのに男性ホルモンの方が多いね」

村長:ほら、昔、ロケット造ったんだよ(写真)

かな子:この男性は、若い頃の村長ですか?

村長:若いって、いくつくらいに見えると思う? これは二十歳のときの写真。

ロケット造ったのは十八のときだよ。

咲:独学で造られたんですか?

村長:独学って、毒は飲んでないよ? そう、一人で。昔は大学なんて無いんだから。ガリレオとかケプラーとか、独学で偉い人になったの。こんなふうにいっぱい研究をして、真似されないように宇宙村も登録(特許)出したんだよ。

かな子:今はどんな活動をされているんですか?

村長:身体を治す活動とか、色々してるんだよ。隕石触ってモニターを見ると、毛細血管が拡がって、心筋梗塞や脳梗塞が良くなるんだよ。糖尿病とか癌とかが良くなるように、こうして研究しているんだよ。


東京大学で隕石触って脳波も採ったよ。この表のβ波ってやる気がでるんだよ。緑はα波といって頭がすきっとするし、θ波って黒は、頭が冴えちゃうんだよ。ねぇ? すごいんだよ。世界で一番隕石を持ってるんだよ、僕は。

これ(上の写真)は「インメラコパラサイト」。顕微鏡で見ると綺麗なんだよ。

(紫や群青、黄金色。豊かな色彩が美しい。)
村長:それに触ると、こういう風に綺麗になっちゃうんだよ、ほら。


(村長、自らの腕を差し出す)
村長:七十五歳に見えないでしょ?足の裏も、体全部綺麗になっちゃう。
だからその隕石、膝の上へ置いとけって。だからこうやって、そうだよ、あんたたち。


かな子:重い・・。

村長:パワーが生まれて、頭が冴えてくるから。…ふっ、重いんだ。

隕石があまり重いので、それとなく机に戻してごまかそうとする。

村長:あんた! ほら、重いのを置いとくのちゃんと。パワーが出るから。

咲:…こんなに大きいんですね、隕石って。

村長:もっと大きいのそこにあるから! ほら、あとで写真撮ってけってんだよぉ。一トンってのもあるんだよ、これは二億円。唯一持ってるっていう隕石もあるよ。三億五千万するんだよ。

咲:こういうのはどうやって集められるんですか?

村長:宇宙村だから、パワーがあるから集められる。南米とか、アフリカとかに、落ちてきたのを持ってくる。

かな子:隕石の値段はどう決まるんですか?

村長:どんな風に決まるってさ、拾った人の価値んなっちゃうからさ、うん、難しいけどな。五百円から千円の、隕石の小さいのも売ってるよ。頭もよくなるから、学校行かなくたっていいんだよ。東大卒業するより頭よくなっちゃう。東大の先生だって、ここに勉強にくるんだよ。

 

村長:ちょっと、手を出してみな。

(かな子、手を差し出すと握手で温度を確かめられる)
村長:あんたは、いい温度だ
(咲も温度を確かめられる)
村長:あんたも、あんたたちいい温度だ。いいか? こうやってて。

(手のひらを、村長が挟むような形で両手をかざす)

村長:エッ! あったかいでしょう、すごいでしょう。こうやって体毒を出しているの。ほら、ほらほら。そんなに気持ち悪くないでしょう? こうやって治してあげるの。エッ! って。ほらあ。あなたの場合は内臓が弱ってるんだけど、だんだん動いてくるから。ねえ? うそみたいでしょう。
かな子:咲ちゃんもやってもらったら?
村長:高いよお、一回五千円だから。

(タダだった)
かな子:お願いします。
村長:いいかあ? どう? あったかくなるから。エッ!
かな子:中からきますね。
村長:下からもくるでしょう、ねえ、だからこうなる。
(村長、すべすべで血管の浮き出た手を見せてくれる)
咲:私はどこが悪いんですか?
村長:内臓が弱ってるから、目が疲れやすいんだよ。多分。エッ!
ほらあ、あったかくなる。ねえ。あんたの場合も、ホルモンのバランスが悪いんだよ。顔は女性だけど、ホルモンが男性なんだ。女性ホルモンが低いからだめなんだよ。
咲:だめなんだ…悲しい。
村長:悲しい、そうだろう? ねえ。
咲:これは村長さんしかできないことなんですか?
村長:できないよ! だってこれ隕石使わないと。
咲:お客さんが隕石を買ってもだめなんですね?
村長:うん。お弟子さんになって覚えさせるとだ、誰でもできる。

咲:お弟子さんがいらっしゃるんですか?

村長:いないよ、いないからあんたがなってくれるか?

村長の声は穏やかなのだが、「毒が消えてしまう」と言われると恐ろしい気がした。

(2)宇宙村ではアルバイト募集中。

咲:…村長さんはこちらのお店にいつもいらっしゃるんですか?

村長:いつもってわけじゃないね。大学に講演に行ったりもするし。この間は法政大学行ったよ。今度は他の大学にも講演に行こうかな。
そういう企画を立てないとな。宇宙医学とか、UFOとか。


かな子:宇宙村の村民は、何をなさっているんですか?
村長:宇宙を研究するんだよ。村民は三百人くらい。どんどん増えてく。それで、下田城にも集まって、UFOを呼ぶ。なんでも呼べるんだよ。隕石を使ってな、宇宙パワーで。

 咲:お店にはどのくらいの年齢の方がいらっしゃるんですか?

村長:もう、十代からねぇ、八十代まで。みんな隕石グッズとか、宇宙グッズとか買っていく。世界中の物がいっぱいあるからねぇ。

かな子:入り口の張り紙を見たのですが、アルバイトを募集されてるんですね。

村長:うん。アルバイトったって宇宙の勉強してないと意味ないよ。お客さんに「うううう宇宙ってどうなってますか」って聞かれて、「さあね松林があって杉の木があって…」って言ったって笑われちゃうよ。

 かな子:村長さんは頻繁に宇宙に行かれるんですか?

村長:そうだよ。弁当要らないんだよ宇宙って。
食べなくても、何年でも生きられるの。空気は無い、おみじゅは無い。宇宙ってとこは雨も降らないから、お家の上に屋根が無くて、瓦も要らないんだよ。宇宙は、電気もなくて、真空で真っ暗。太陽の光があたると、バーッて光るんだよ。それで、ずっと膨張してる。
咲:宇宙に言語はあるんですか?
村長:言葉は要らないんだって。テレパシーだから、何を言いたいか全部分かっちゃうんだから何考えてるかとか、体のどこが悪いかとか。

だから宇宙にお医者さんはいらないんだよ。聞いたことないでしょう、宇宙にお医者さんって。
かな子:確かに、ないですね。思ってることが相手に知られてしまって、喧嘩にはならないんですか?

村長:喧嘩にはならないんだよ、宇宙に争いごとはひとつもないよ。土地も広くて地球ぐらいの星がいっぱい、一人に一つずつあるんだから。何のために喧嘩なんてするの。

 咲:宇宙人は、毎日何をして過ごしているんですか?

村長:自分の好きなことして過ごしてるんだよ。宇宙人は遊ばなくて、研究ばっかりしてるの。それで宇宙人同士で教えあったりもするよ。だから頭がいいんだよ。
咲:宇宙人は本も読むんですか?
村長:本なんかいらないよ、地球人みたいな馬鹿が読む。だから学校もいらない。馬鹿が行くんだよ。なんであんたはキョトンとしてるの?(笑)利口な人は、人に習うんじゃなくて、教えるんだよ。だからあんたも勉強しなくちゃ、質問してるようじゃだめだよ。発問しないと。七の上は八でしょう?
(一瞬、私たちは固まった。質問の質、を7と読んでその上の8である発問を目指せ、という教えらしい)
村長:頭がぱっぱーと切り替わって、こういうトンチが分からないとだめだ。


(3)隕石パワー水を作っている

村長:ほら、これは、一億年前の昔の水と酸素が入ったお水。酸素飲むと元気になるんだよ。
かな子:村長さんが最初に頭に塗っていたものですね。
村長:そう。この二つの他に、隕石パワー水がある。水道水を隕石の上に置いたやつで、特許も取ってる。この水をあんた達に飲ませてあげるんだよ。一杯五千円だけど、あんた達金が無いから、今日はね、八千円にしてあげる。…いや、タダで飲ませてあげるよ、タダで。

 内柴さーん(宇宙村の社員の方。五十代前後の女性)、おみじゅ…五千円の、二杯持ってきてあげて。

(後で聞いたのだが、内柴さんは画家と書道家をなさっているそうだ。古美術品が好きなので宇宙村で働いているという)
村長:安くして、八千円にしてあげる。なぁ?
はっ、なんで「うん」って・・・。計算できないからな。地球人は、計算できない。八千円にしたって、今日は金が無いって書いてあるからな、あんたの顔に。タダにしてあげるから。その代わり、ちゃんとじゃっしに書かないとだめだよ?
内柴さん:どうぞ。こちらがパワー水です。

(おそるおそる、一口飲んでみる)
村長:大丈夫、死ぬようなことないから。まろやかでさ、水の粒が小さいから消化が早いんだよ。おしっこが早く出て、体毒もみんな出ちゃうんだ。毒は入ってないんだから。消えちゃうんだから。

(4) 隕石パワーシール

村長がファイルをめくり、星と丸印のモチーフのシール、隕石パワーシールを見せてくれる。この名の通り、隕石と同様のパワーが得られるそうだ。十枚百円で販売されている。

村長:隕石パワーシールって言って、これも特許取ってる。

咲:この柄に意味があるんですか?
村長:そう、よく知ってるね。左のは昼間出る太陽の周りの虹を表して、右のは夜に出るお星さんを表しているんだ。ねぇ、僕はそういうのを発見したの。今日も大阪からわざわざアベックがこのシールを買いに来たんだよ。

 

(村長がおもむろに携帯電話を取り出した。携帯電話の表面には太陽のシール、裏面には星を表す隕石パワーシールが貼られている。)
村長:こうやって必ず2枚貼らなきゃいけないんだ、陽と陰はセットだから。ねえ、こういう風に貼るといい仕事がたくさんくるんだよ。そしたらあんた達、もっと有名になって、もっともっと美人になる。

 

(5) 宇宙にケンカはない

村長が様々な宇宙人のスケッチを見せてくれる。1999年1月9日から2000年1月1日までにテレパシーを通して映像を捉えた宇宙人を、村長が直々に描いたものである。

村長:撮りたきゃ撮れよぅ?


咲:『カゲローカッパ』という種類なんですか? 村長と同じお名前ですね。
村長:うんうん、これはカッパ型宇宙人。よし、これくらいにしておくか、なあ?
かな子:もっと気になります。

村長:なんの木?杉の木松の木になるの? 木になるって。

かな子:…桃の木になりますよ!

村長:それじゃあ見せてあげる。初型。撮ったぁ?これ雑誌に出たらみんな喜ぶよ。
咲:幻想的ですね!
かな子:村長さんは、色んなセンスをお持ちなんですね。芸術家みたい。

村長:芸術だもん。ね、面白いでしょう。これが人間型だ。

咲:どことなく村長さんに似ている感じがします。お顔とか。

村長:そうかぁやっぱりな。

咲:親戚ではないのですか?

村長:親戚だよう。ほら、ホーキ星に乗って宇宙に向かうのも見せてあげる。漂っているホーキ星に乗って途中で隕石に飛び乗れば、タダで、ずーっと行ける。

 

ほら、貝型宇宙人。


かな子:これは、貝の中に住んでるんですか?

 

村長:そう、貝を海に放ってやると、船になってずーっと、世界中動けるんだ。
咲:お弟子さんができたら、宇宙に一緒に連れていかないんですか?
村長:だって、地球人は、空気の無いとこだと死んじゃうんだもん。カッパは海に行ったり陸に上がっても何でもないけれど、地球人は海に入って3分か5分したら、死んじゃう。宇宙みたいな空気の無いところに行ってどうするの。
咲:なるほど、でも、宇宙にいつか行ってみたいです。
村長:宇宙はね、星がいっぱい。だから喧嘩はまずしないんだよ、みんな仲がいいんだ。広いから喧嘩のしようもない。
咲:寿命はあるんですか?
村長:寿命なんてほとんどないんだよ。
寿命ってどうやって決まるの? 1年の感覚がないのに。

 

宇宙はこの瞬間も膨張し続けているため、時間の間隔も常に延びていくのだという。
咲:でも、宇宙人の誕生はあるんですよね。じゃあ、増える一方なのですか?
村長:いっぱい増えるさ。だけど、宇宙には無駄がないんだ。寿命はないけれど、太陽なら太陽もばーんと爆発してきれいなお星さんになっていくんだよ。だから無駄にならないんだよ。ごみなんてないんだ、宇宙にはなんにも無駄がでない。

 

(6) 宇宙の神様にお祈りする方法

咲:宇宙は誰が司っているんですか?
村長:宇宙の神様だよ。
どんな神様って、一口に表されない。だって、いっぱいいるんだから。

咲:宇宙の神様と日本の神様は、交信をとったりはないんですか?

村長:位が全く違うからとれないんだよ、神様の世界ってみんなそんなもんだよ、位が違うといけないんだ。
咲:日本ではお祈りをしたりするのが神様の称え方であり、崇め方ですよね、宇宙ではどういう感じですか?
村長:そうね、宇宙も、踊りを踊ったりこうやってお願いごとをするんだよ。
地球はぴったり合わせて終わり、でしょう? これだと離れてきちゃう。
宇宙ではきちんと離れないように。


願いがかなったら、オッケーってマークをする。このオッケーマークを地球も真似しているから、仏さんもオッケーマークに似たようなポーズをよくするでしょう。でもね、宇宙のこれが本当。争いごとがないように丸く丸くって。それが叶ったら次にオッケーマーク。これで願い事がみんな叶う。

かな子:村長は流れ星にお願いをしたことはありますか?

 

村長:あるよ。だから村長にはお金がたくさんある。最初に流れ星にお願いしたときは、学級委員になったんだから。


(7) 村長の使命とは

かな子:宇宙の方々とはどんなメッセージをやり取りするんですか?

村長:「地球にはこんなに悪くなっています」って。

汚い空気とか水をどうすればいいか訊くんだよ。そうやって地球を良くしている。地球を助けないと体の弱い地球の人が困るでしょう。今、あんたたちくらいの年齢から子宮頸がんとか乳がんとかなっちゃう人が多いから治してあげないと。空気が悪いし水も悪い、みんな毒がいっぱいだ。

全部悪いから、それをきれいに直してあげないと。住みやすいように地球をしてあげないと、しょうがないでしょう。

咲:それが使命なんですね!

村長:そう、それが使命。だからあんたたちふたりとも先生と結婚してくれないと、ほら忙しくなってきたんだから。なあ、わかった? おもしろいでしょう。


宇宙村を訪れて

村長は75歳。宇宙を夢見た村長の少年時代は、戦争の真っ只中であった。殺伐とした時代だったからこそ、遠い星空が理想郷のように感じられたのだろう。

テレビっ子の村長は、戦争や核実験、薬害や環境問題などの多くの社会問題に胸を痛めている。そんな問題と真摯に向き合い、いろいろな悩みを抱える人の相談に乗っている。独自の解決策を見出し、多くの人の役に立とうと懸命に生きているのだ。それがときとして人から奇異なものとして受け取られてしまうのが哀しくもあった。
「隕石は願いを叶えてくれる」と聞くと当初は信じられないような気持ちであった。村長に見せていただいた薄炭色の隕石には、所々に細かい穴があいており、その穴には金色の粉が詰まっていた。

半透明の隕石は、空に翳すとちらちらと光を受けて反射する。独特の薄灰色をしているため光が柔らかく、中に鈍色の水が入っているような不思議。ところどころに開いた穴には金の砂が埋め込まれており、どこか近未来的な色をしている。だが、こうして隕石を見ていると、本当に予想のつかないような世界から落ちてきたのだという驚きと、得体の知れない力を感じるのである。

村長の言う、お金云々の話は別として。

美しく不思議なものが溢れている宇宙の姿を知るために、村長は日々研究をしながら毎夜月や星を見上げる。そして、ツイッターでは「お星さん情報」を発信し、多くのお客さんに宇宙の神秘を語る。

「なぜ天の川は空から滴り落ちてこないのか」。

かつて少年だった頃、疑問を持った村長は、望遠鏡で空を見上げた。一粒の雫だと思っていた光が、星であったことに驚いたそうだ。

それから、七十年。
今夜も村長は星を眺めている。

 

取材・執筆 ドクガクテツガク編集部 かな子(文) 咲(編集)

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