【閲覧注意】ゲジゲジを喰らう、新人蛇女/御霊祭り・見世物小屋に潜入!

【閲覧注意】ゲジゲジを喰らう、新人蛇女/御霊祭り・見世物小屋に潜入!


東京、九段下にある靖国神社の御霊祭り。
先代の蛇女が逃亡し、急遽代役を務めることになった
新人蛇女のデビュー初夜に迫る。

2013年7月 081

異形の世界へようこそ
神棚の首の女の絵が誘う。

「さァ、窓から覗くだけならタダだよ」

ヒョウ柄ドレスの女が火を噴く後ろ姿につられて、我々は小屋の中へ
吸い込まれるように入っていくと、「詰めてー! ソコニ隙間アルヨー!!
という原始人の女の絶叫に迎えられる。括目し、大胆に肌を露出した女
は、ダンダン!と裸足で薄い舞台の板を踏み鳴らす。
むせ返る混雑状態の中、ショーは始められる。

1,蛇女小雪太夫の逃亡

「えー、小雪太夫が逃亡しましたんで、なんと今夜が初デビューです。」
高円寺のポップミュージシャンのようなとぼけた口調で、司会の若い男が喋る。

小雪太夫とは、先代の若い蛇女だ。朱赤の振袖に長い黒髪で、
妖艶な猫のような目をした美女である。「蛇を喰いちぎり、生き血を啜ったあと、
客席に蛇を飛ばす」との噂を聞いた。

youtubeで動画を見ることができるが、首をちぎられた蛇は、
頭を失くしたまま、弧を描くようにうごめいていた。

2.新人蛇女の登場

2013年7月 092

「この蛇女。かなりの凶暴につきご注意を。」
乱杭歯に鋭い眼光の蛇女が、蛇を首に巻き付けて起き上がった。
手をだらりと下げ、野犬のように荒い吐息で客席を睨め回す。
首に下げられた蛇は、毒抜きなどの処置がされているのか疑問だが、
蛇の口にはラップが巻かれているだけだ。ラップの切れ端も取れ掛かっている。

司会の男は半分に切ったペットボトルを掲げた。
中では土にまみれた虫の数々が、無数の足を蠢かしている。

「これー!さっき靖国神社の便所で拾ってきた虫達です。
蛇は何を食べますか? 虫ですね。 蛇が食べる虫は、この蛇女の大好物なんです。
ちょっとおかしい人ですよ。ちなみにゲジゲジです。」

2013年7月 097

司会の男は観客に見えるよう、舞台上からペットボトルを傾け、見せ回した。

上から虫が降ってきそうなほどに、舞台と観客の距離は近い。

蛇女は砂にまみれて激しくうねるゲジゲジを、そっとつまむと
口に入れ、前歯を喰い込ませた。ゲジゲジは、女の歯の間で
のた打ち回り、苦しげに動いている。

2013年7月 100

蛇女がカッと口を開けると、粘液と糸を引いてバラバラになった
が見えた。次の瞬間、蛇女は喉仏を隆起させると、パッと
口を開け、舌を空に突き出した。

はいー、すっかり飲み込んでしまいました。拍手。」

唇をペロリと舐めた蛇女からは、清々しささえ漂っていた。
右頬に大きく鱗を付けた半裸の蛇女は、おそらく二十歳前後と、
自分と歳が変わらないように思えた。
カーテンの向こうで、彼女は日々何を思い、暮らしているのだろう。

小屋を出ると、暗がりに老婆の呼び込みの声が響き渡っていた。

「さァ、お代は見てのお帰りだよ。
果たして人間か獣か、恋も知らない、情けも知らない、情け容赦も知らずして
いかなる悪食を重ねていた女です。さァ、いらっしゃいませいらっしゃいませ。
人が産んで人が驚く、見世物地獄滅びゆく芸能、幻の芸能。」

(取材:ドクガクテツガク編集部 文・写真:かな子)
(写真撮影は自由でした。動画は撮影禁止だそうです。)

 

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