6/19(水)がさつな者だけが緊張する喫茶店

6/19(水)がさつな者だけが緊張する喫茶店


 

東京・高円寺に『R座読書館』という喫茶店がある。

そこは、基本的にひとりで行く場所。
二人で来て、他にお客さんがいる場合は
一言二言をポツリポツリと話すのはいいけど、声高におしゃべりはいけない。

とっても静かな喫茶店で、店員さんに注文するときもひそひそと話すし、
「いらっしゃいませ」もひそひそと言ってくれる。

店内は外界とは異世界。緑が多くて、水槽があるから
水の心地よい音が漂ってる。
席はどれも違う。水槽が目の前だったり、ソファでくつろげたり、
古い西洋の机だったり。チョイスした席で、見える景色はけっこう違うと思う。
どの席も、お互いの目が合わないような配置になっている。
基本的には教室の席のように、進行方向が一緒、体が皆同じ方向を向く作りだ。

水槽が目の前にある席には餌も置いてあるので、お魚に餌をあげられる。

店名に図書館を冠してるだけあって、本が豊富。どれを読んでもよく、
本棚の目の前にあるベンチに掛けてあるノートには
本の解説などが書かれてるので、おもしろい。
自分がいつか読もうと思ってた本や、気になってた本が次々に見つかった。

それぞれの席に「らくがき帳」が置いてある。
お店にあるらくがき帳というと、相合い傘やものすごく悪口が書いてあったり
やたら卑猥なことが書いてあるのが常套だが、
ここに集うのは中学生ではなくちょっと繊細な大人たち。

読むと予想通り、詩や、今悩んでることや、
哲学っぽいことなどが綴られていた。
みんな悩んでいるのだ。

最近見つけたのは
「問題は、why to live(なぜ生きるか) ではなく、how to live(どう生きるか)ということなのである」
これで、なんとなくの傾向はつかんで頂けるかと思う。

二人で来てる人たちはこのノートで筆談をしたりするらしく、
その様子は第三者をおそらく意識していないものなので面白いし、かわいい。
お客さんに絵が上手な人多そうだな印象を持ったが、その通りだった。
恋のお話も多いので、甘酸っぱい気持ちを共有することも可能だ。
ただのメモ代わりに使われたりもしていて、
意味深な数字や計算式が書かれてるのもわくわくさせてくれる。

ここは通常の喫茶店と全く違う。従って人々も通常の喫茶店とは違ったものを求めて足を運んでるようだ。

お客さんを見渡せば、アートに関する手作業をしてる人や、物思いにふける人、
折り紙をする人、ぐったりとした自分を休ませてる人など様々。
様々なはずだが、なんとなくの傾向がある気がする。

とっても静かで、声はみんなひそひそとさせてるところが面白い。
だけど、静かなゆえに私はトイレで緊張してしまう
トイレとは、本来外出したときにもっとも自分を弛緩させられる場所ではなかったか。
でも本当に静かだし、トイレの横には、あのもの静かな店員さんが座ってるし、
ひょっとしてトイレでの音は店内にダダ漏れでは、と思うと自分の100%の力を出せない。
トイレットペーパーもガンガラッ、ガラガラガラーって無駄遣いが出来ない。

ここは、雑然としていない。
喫茶店はたいてい、いろんな人間を容認してるし、種類の違った人たちが
同じ場所に集う、雑然としたパブリックな場という感じだが
ここは学校でいえば「クラスの中の、どこどこのグループの人たち」
が好んで来る場所な気がする。
お店のカラーやコンセプトがはっきりしてるからだろうか。

どこかの国におじゃまするから、自分が主役面はできなくて
その国に合わせて行動する。
お店のストーリーを崩さないようにその空間に自分を沿わせるイメージだ。

席を立って、歩くときも私は緊張してしまう。
なぜならドスドスベタベタ歩く傾向があるからだ。
静かな妖精たちが暮らす国に、土足でズカズカやってきた巨大な荒くれ者のような
気持ちになり、申し訳なく思う。

会計を済ませ、ドアを閉めるときにふと店内に目をやると、
店長がこちらに向かってお辞儀をしてくれていた。
一生懸命な姿に胸を打たれると同時に、胸がちくりとする。
こんな荒くれ者なのに、申し訳ない気持ちだ。

私はまだこちらのお店に馴染めるくらいの人間ではないようだ。
だから歩くときやトイレでは緊張してしまうが、
こちらに大変馴染んでる人たちは、全然緊張してないと思う。
そもそも落ち着きに、リラックスしにきてるわけで。

こちらの喫茶店、たいていの人が入った瞬間に「素敵!」と
言ってしまうことだろう。殊に休日にゆるっとした格好でカメラを持って
自然の中で青空をたくさん撮る傾向がある人は、イチコロだと思う。

ということで、こちらではガサツ診断、できそうです。
ガサツ気味な人は、トイレとか歩くときとか緊張するでしょう。

私はこのお店の、水音が聴こえるところや
外の生活音が聴こえるところが、ガサツ者なりにいいなと思ってる。

でも同時に、この空間をメシメシワシワシ練り歩いたり、
「っだー!!」とか叫んで体をやたらめったら動かしたくなるのも事実。

 

高橋

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R座読書館

東京都杉並区高円寺南3-57-6 2F
tel: 03-3312-7941

営業時間:平日 13:30〜22:30(LO 22:00)
土日祝 12:00〜22:30(LO 22:00)
定休日 月曜日(月祝日の場合は営業、翌火曜休み)

R座読書館利用法:http://r-books.jugem.jp/?cid=4
お店への行き方:http://r-books.jugem.jp/?cid=3

JR高円寺南口から徒歩5分くらいです

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